2013年12月27日

1980−2000

1980年から2000年はグラフィク・デザインがカルチャーとして成立をして輝いていた時代だと思います。
私はデザインでPCを使わないのですが、Show Studioの作品を見ながら、2000年の設立当時から変わらずにカッコいいな〜、そんな時代を改めて振り返る事によってデザインの魅力を再確認出来れば良いな〜、とふと思いました。

数も足りず不十分な面もありますが、私が昔からもっとも興味があるU.K.のデザインスタジオと大好きな雑誌のみをピックアップしてみました。

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80年代のグラフィック・デザインの象徴といえば勿論「The Face」と「i-D」の創刊です。ファッションと音楽を中心に取り扱った雑誌の登場はファッション・カルチャーという新しいカテゴリーを作り出しました。
「The Face」を手掛けたデザイナーのNeville  Brodyは広告デザインが主流だったグラフィック・デザインに、大胆で斬新なタイポグラフィを使いファッションと音楽とを混ぜて新しい表現の場を作り、一般の人達もそれを楽しむような時代になりました。
それはファッション・カルチャー誌という新しい発表の場を与えられた事によって、広告とは違う表現がレコードジャケットや雑誌で展開されたのです。

84年にアップルはMacintoshを発表しましたが、80年代はまだ多くの人がコンピュータを使ってデザインをすることに戸惑っていた時代でした。そんな中でもいち早く新しいデザインを発表したのも同じくNeville Brodyでした。

88年にロンドンのVictoria and Albert Museumで開催された『The Graphic Language Of Neville Brody』展は4万人以上の来場者数で同名の書籍で彼の初の作品集も同時に発行され、デザイン書にも関わらず世界で12万部以上が販売されました。

1990年に来展しパルコギャラリーで開催された同展は他にもPeter Saville、Malcom Garrett、Vaughan Oliverなどロンドンのデザイナー達の作品もありました。(私はまだ小学生だったのでこの展は高校生の時に知ったのですけど)
この展覧会は90年代以降のグラフィック・デザインを示唆していたと思います。その後、NevilleはErick SpiekermannとFront Fontを設立して積極的にデジタル・タイポグラフィに取り組んでいったひとりです。


90年代に入ると新たな実験と模索の時代になり、「Dazed & Confused」や「Purple」「Wired」「Self Servise」「Ray Gun」などが90年代前半に創刊されて、出版社ではなくデザインスタジオがファッション雑誌を編集・発行するようになり、大胆なデザインやグラフィック的な要素を重視したものが増えて来た印象です。
当時のデザイナー達が、FontgrapherやPhotoshopなどのアプリケーションを使って新しいデザイン表現を模索していたのがとてもよく分かります。

90年代後半になるとインターネットなどの新しいメディアの登場で、印刷物だけではない新しい知識と経験が必要になり、多くのデザインスタジオは00年前後になると次のステップを意識し始めていきました。

97年のBjork 4thアルバム『Homogenic』の衣装はAlexander McQueen、写真はNick Knight、デザインはMe companyと豪華なメンバー。

この頃に創刊されたのが「Numero」「V magazine」「POP」 などで、フォトグラファーのNick KnightとデザイナーのPeter Savillが2000年にスタートさせたShow Studioは未来のクリエイティブの可能性をいち早く察知した結果だともいえると思います。



99年発売のThe chemical brothers 3rdアルバム『Surrender』はKate Gibbのイラスト、デザインはBlue Source。Blue Sourceは解散して、かつてのメンバー達はYes、Toppin、Goftonなどで活躍中。


同じく99年にIntroが編集デザインしたスリーブジャケットばかりを集めた作品集『sampler』が刊行。2001年には『display copy only』が刊行。Introの共同設立者でありクリエイティブ・ディレクターのAdrian Shaughnessyは、Introを離れて現在はロンドンを拠点にデザインジャーナリストとして活躍中。

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80年代から90年代にかけてはファッション、音楽、カルチャーが大きな変革期を迎えた時代でもあります。そんな時にタイミング良くコンピューターを使い、模索と実験を繰り返しながら表現されたグラフィック・デザインは、ファッションや音楽と一緒にカルチャーとして時代を耕して来ました。

本来は裏方であるグラフィック・デザイナーが広告デザイナーとしてではなく、ミュージシャンやファッション・デザイナーと同じ様に時代を作り出す一人として注目され、表舞台へ紹介されるようになったのもこの時代です。当時有名になったデザイナーの殆どは20年30年経った今でも素晴らしい仕事をしていて、真剣にデザインに取り組んでいるのがよく分かります。彼らをとても尊敬しますし、追い抜こうとしてもなかなか簡単ではありません。

時代に関係無く、いつの時代でも美しいデザインがあるし、反対に今だからこそ面白いデザインもあれば10年後にやっと評価されるものもあります。
決してどれが正しいということではなく、デザインの価値観や環境は時代と共に変化していきます。それはデザインに限らず、写真、ファッション、映画、音楽、アートなど全てのものやひとに対する面白さだなと思いました。

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